「カースト」記述さまざま〜その3

カースト」とはポルトガル語の単語、カスタcastaに由来する言葉である


 前回のエントリに引き続き、『南アジアを知る事典』の当該項目をみていきます。

[ヴァルナとジャーティ] カーストとはポルトガル語で<家柄><血統>を意味するカスタcasta(語源はラテン語のカストゥスcastus)に由来する語である.インドではカースト集団を<生まれ(を同じくする者の集団)>を意味するジャーティjati〔引用者注。原文ではaの上に長音記号あり〕という語で呼んでいる.

出所:辛島昇ほか監修『南アジアを知る事典』平凡社、1992年10月、136ページ。


 カーストは、血統を意味するポルトガル語の単語、カスタcastaに由来する言葉である。このことは、前々回、4月1日のエントリで引用したwikipedia日本語版、goo辞書、『広辞苑』にも明記されています。語源に関する説明は重要だと考えますので、はてなキーワードでも採用して良いのではないでしょうか。

 また、カーストはインドではジャーティと呼ばれているようです。ジャーティについて、wikipedia日本語版では関連項目にリンク先が示されていますが、本文では説明がありません。goo辞書では二番目の定義に「インドの社会集団であるジャーティのこと」とあり、『広辞苑』でも「インドではジャーティ(生まれの意)という」とされ、上記引用の『南アジアを知る事典』の説明と軌を一にしています。はてなキーワードでは、「サブ・カースト(ジャーティ)」と他にはない使い方をしています。これについては更に調べる必要がありそうです。

 とはいえ、カーストポルトガル語の単語に由来するとなれば、インドではどう呼ばれているのかと疑問に思われる方も多いでしょう。はてなキーワードの中で、ジャーティについての説明があっても良いと思います。本日はここまでにします。

(追記)シリーズが長くなりそうですので、出所表記に前掲書を使うことを止めました。